うつ病というのは、ストレスなどの心的な原因によって、気分が落ち込んだり、意欲や興味が低下、そのことで食欲不振や不眠に陥ったりする精神的な疾患です。
うつ病の治療方法
ですから、このような精神的な疾患ということもあり、従来治療法に置いては、
- 十分な休養
- 薬による治療
- 精神療法
等によって、うつ病の治療が行われます。ただ、最近では鍼灸によってうつ病の治療が出来るということが、クローズアップされており、今回はこの鍼灸によるうつ病の治療についてお話をします。
うつ病のメカニズムー脳と自律神経との関係
ではどうして鍼灸でうつ病を治すことが出来るのかということですが、まずはじめに脳と自律神経の関係をお話します。自立神経は、不快、怒り、悲しい、不安、恐怖といったマイナスな情動とか、各臓器の「痛み」や「不快感」の感覚にスイッチが入ります。その不快感などを抑える役目をするのが、脳です。脳が様々な指令を自律神経を通じて行うわけなんだけれども、その脳の動きを低下させてしまうのが、うつ病なんです。そのために自律神経を抑えることが出来ずに、自律神経失調症や不眠といった症状が起きるというのは、このことが原因であることが多いです。
鍼灸がうつ病に効果がある3つの理由
それでは鍼灸がなぜうつ病の治療ができるのかというと、これには3つの理由があります。
1.BETAエンドルフィンを分泌させる
鍼灸の治療は、神経に刺激を与える刺激療法でもあります。つまり鍼でツボをおすと、刺激が神経を通じて脊髄から脳に至り、脳がここでβエンドルフィンを出すように指令をだします。このβエンドルフィンは快楽物質と言って、ポジティブな感情をうみだします。
2.報酬系の機能を改善する
報酬系と言うのは、欲求が満たされた時に快楽を与えてくれる神経系です。例えば、何かのことで褒められると嬉しくなりますが、この時のポジティブな感情を報酬系と言います。鍼灸の場合は、この報酬系に働きかけてストレスを和らげるということができます。
3.ストレスに対する適応力が上がる
鍼灸の1と2の理療によって、脳の働きを活性化しますので、ストレスに対する適応力が上がります。
以上の3点をもって鍼灸がうつ病の治療にも対応できるということが分かりますし、何よりもWHO(世界保健機関)が神経性疾患に適応していると認定していることからも、うつ病の正式な治療法の一つであるということがわかります。
ただし、注意をしないといけないのは、鍼灸によるうつ病の治療に関しては、保険がまず効きませんので、治療費が高額になることもあります。その点は、あらかじめ先方に効いて、きちんと経済的な問題もクリアして治療しないと、あとで高額な治療費を請求されるということもあります。この点は是非注意して欲しいポイントです。