「鍼」と「針」の意味は何ですか?字の字の中で意味がありますか?二つどんな区別がありますか?一緒に考えましょう。
パソコンのJIS第一水準漢字にも「鍼」が含まれていることから、現在はこの難しい字が抵抗なく用いられるようになってきているが、常用漢字表には入っていないため、新聞などでは「はり治療」、「しん灸師」などの交ぜ書きが見られる。
本来「はり」を表す字は「辛」で、これは針をかたどった象形文字である。はりは治療に用いられるほか、何度も強く刺して拷問に用いたり、逃げないように入れ墨を彫ったり、目をつぶすなどの責め具にもよく用いられたため、「つらい」の意味や、はりで刺したような「からさ」を表すようになり、本来のはりは、金属でできているためにかねへんがつけられ、ついでに字体が簡略化されて「針」になった。「童」や「妾」の字の上についている「立」は、本来は辛で、逃げないように針で入れ墨をして、奴隷や弄び者にした子供や女のことである。
もう一つ「鍼」は、金と咸(強い刺激、衝撃を与える)の会意文字で、こちらも責め具としてのはりの意味である。鍼と針は、もともと意味も読み方も全く同じ「異体字」である。それが次第に治療用の鍼に転用されるようになったと思われる。なお、縫い針ができるのは、それよりさらにだいぶ経ってからである。
今は日本鍼灸師会および全日本鍼灸マッサージ師会は公式文書にも「鍼」を使用している。じゃ、中国においては、治療用の鍼も「針」に統一された。

教育

鍼灸師という資格は日本国内には存在しない。はり師、きゅう師がそれぞれ養成されている。平成元年までは「中学卒業後5年間以上もしくは、高等学校卒業後3年以上、厚生省の指定する養成校にて所定の科目を修め」る事で知事試験では受験資格が認められたが、平成5年度からの国家試験への移行に伴い、平成2年度より最終学歴は「高等学校卒業後3年以上」に改められた。
平成21年現在、各都道府県の盲学校、私立専門学校、国立大学1校、私立大学が数校ある。
国家試験の試験科目である 医療概論(医学史を除く)、衛生学・公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡経穴概論、はり理論きゆう理論及び東洋医学臨床論 は必須科目であり全ての養成施設で教育される。必須科目の他は養成施設が作成した教育が行われており、多くある例としては徒手療法や中国語、医療哲学や社会学、人体解剖があり、少ない例としては、ラットやカエルなどを使った実験、海外研修がある。また、サークルやクラブ活動もあり、当然鍼灸に関係するものが多い。
教育者は、それぞれの科目に専門の医師や鍼灸師が行うのが一般的である。